クロケット&ジョーンズのハンドグレードコレクションの代表的なラストといえば「337」。
ストレートチップのオードリーをはじめ、パンチドキャップトゥのベルグレイブ、モンクストラップのレプトンなど、日本に流通する多くのモデルがこの「337」を採用しています。
その「337」から派生したラストが「367」です。
「オードリー3」とか「ベルグレイブ3」とか、「3」とつくハンドグレードコレクションに採用されています。
派生形なのでよく似ている「337」と「367」。
どこに違いあるのか?そして実際に使ってみてどのように感じたのか?
ハンドグレードコレクションの「ベルグレイブ」と「ベルグレイブ3」をもとに、ラスト「337」と「367」の違いをお伝えします!!
目次
クロケット&ジョーンズのラストについて
日本で買えるハンドグレードのほとんどがラスト「337」
クロケット&ジョーンズのハンドグレードコレクションの中で、日本で最も流通しているものはストレートチップの「オードリー」でしょう。
オーソドックスなスタイルであることももちろんですが、オードリーに採用されているラスト337が日本人の足に合っていることが大きな理由です。
では、日本に出回るクロケット&ジョーンズ・ハンドグレードのうち、どのくらい靴にラスト337が採用されているのか?
靴のセレクトショップであるトレーディングポストのオンラインストアで販売されているクロケット&ジョーンズ・ハンドグレードコレクションのモデルの内、ラスト337の割合はどのくらいかを調べてみました。
答えは、全14点のうち、7点!
50%がラスト337でした。
一方、イギリス本国のクロケット&ジョーンズ公式サイトで同じ調査をしてみると、
全40点のうち、まさかの4点!
それぞれのモデルの売れ行きなどは考慮していないので参考程度の数字ですが、いかに日本の「337率」が高いかがわかる数字ですね。
「ラスト337」の派生形である「ラスト367」
日本で主流である「337」をより日本人に合わせたものが「367」です。
トレーディングポストのHPには下記のように書かれています。
弊社のリクエストから生まれた#367ラストは、名ラスト#337Eを改良したラストです。幅が広く、踵の小さい日本人向けに#337Eを基本形として後方部分はフィット感の優れたラスト363の形を継承することによりフィット感を高めました。#337ラストのエレガントな雰囲気を損なうことなく、フィット感が向上しています。
つまり
「337は足に合ってるんだけど、ちょっとかかとが抜けるんだよね」
という日本人の要望にクロケット&ジョーンズが応えたラストということですね。
ちなみにクロケット&ジョーンズの公式HPに記載されているラストの数はなんと25種類
(参考:クロケット&ジョーンズ公式HP)。
その多くのラストを持つクロケット&ジョーンズが「日本人のために」作ったラストが367です。
日本の市場でも「337」と並び、オードリーやベルグレイブなど、もっとも需要の高いオーソドックスなモデルに採用されています。
クロケット&ジョーンズ「337」と「367」を実際に比較してみる!
違いはかかとのフィット感!?いや、一番の特徴は○○が違う!?
私は計4足、クロケット&ジョーンズ・ハンドグレードコレクションを所有しています。
どれも足に馴染んでいるので、正直337でも367でもおススメできます。
でも、わずかな差ではありますが367のほうが足に合っていると感じます。
ということで、ベルグレイブのブラック(337)とダークブラウン(367)を使って、なぜ367のほうがあっているのかを、比較しながら説明していきます!
それではまずは外観から見てみましょう。
ほとんど違いはわかりませんね。
基本的な部分は同じ形だとわかります。
では、日本人用に変化させたというヒールはどうか?
どうでしょう?
心なしか367のほうがキュッとすぼまっているようにも見えます…
が、
見た目ではほとんど違いはわかりませんね。
実は、見た目でもっとも違いがわかるポイントがあるんです!
それが裏側から見たとき。
まず、ヒールの大きさが違います。
写真右の367のほうが明らかに小さめ。
先ほどのかかとの写真では、すぼまり具合で見ると大きな差はありませんでした。
しかし、ソール側から見ると、そもそものかかとの大きさが小さいことがわかります。
また、写真左の337はかかとからつま先がまっすぐであるのに対し、写真右の367は内側にカーブしています。
このことはトレーディングポストの過去ブログに記載がありました。
ラスト#337のフィッティングをより向上させるためにヒールカップを小ぶりにし、
また気持ち内振り型の木型設計により小指周りにゆとりを持たせたラスト。
この「内振り」の設計こそ多くの日本人の足にあう大きな理由だと思います。
履き心地の違い。367がフィットする理由とは?
最後に履いてみた感覚はどうなのか?
どちらの靴も2年以上は履いていて、どちらも履き心地のいいお気に入りの靴です。
ただ、比較してみると、確かにラスト367ダークブラウンのベルグレイブのほうが「しっくりきている」感触があります。
理由は2つです。
・かかとが抜けない → ラスト337は気になるほどではないがちょっと浮く感覚がある
・履きおろしから長時間履いても余裕 → ラスト337は馴染むまで、長時間履くと多少の痛みがあった
外観を見ただけではわかりにくいですが、履いてみると367のかかとのフィット感は明らかに違いました。
しっかりと足に食いついてきてくれます。
また内振りの設計の効果で足の指の負担が少なく、履きおろしからストレスなく履くことができます。
本当に微妙な違いなんですが履き味に直結するんですね。
やっぱり革靴は履いてみないとわからない。
だから、買う時に試着することは大事ですね!!
まとめ:ラスト367は337にちょっとだけ不満がある人におすすめ!
私の場合は337より367のほうがフィットしました。
だからといって、すべての人が同じというわけではありません(当たり前ですね…)。
ただ、337を履いたことがある人で、かかとが抜ける、ちょっと指まわりが痛くなる、という人は367を選択することはありだと思います!
海外の靴ブランドに憧れると、「この靴履きたい」という思いが強いあまり、自分の足を靴に合わせにいくなんてことがよくある気がします(それでも履きたい靴がある)。
でも、豊富なラストを持つクロケット&ジョーンズは、いつも向こうから自分の足にあわせにきてくれる。
ラスト367はまさに、クロケット&ジョーンズが私の足に合わせにきたラストでした(勘違い)。
「すべての人の足が同じじゃないなら、すべての人の足に合うだけの靴を作ろうぜ」
ときっと思っているであろう(個人の妄想です)クロケット&ジョーンズの心意気が大好きです。
以上、クロケット&ジョーンズへの愛の告白でした!