スーツスタイル(ジャケパンスタイル)において、靴下は重要な要素です。
座った時にスラックスの裾が上がって、すね毛が見えてしまうことは避けるべき。だから、長さがあって、ずり下がることがないロングホーズは紳士には必須のアイテムと言えるでしょう。
しかし、このロングホーズが私にとっては曲者でした。
そう、スラックスに引っかかるんです。特に座って立ち上がるときに、ストンとスラックスの裾が落ちない。上がったまま止まってしまう。
引っ張って直せばなんとかなるんですが、それがストレスです。しかも、歩いているときもひっかかる感覚があります。
ロングホーズを履きたいけれど、この悩みからあきらめてしまった人も多いのではないでしょうか?
そんな悩みを持つ人に、様々な靴下のメリットデメリットを私の経験談をもとにまとめ、今現時点での私にとっての正解をお伝えします!
これを読んだ人が靴下で悩む日々とおさらばできれば幸いです。
目次
ロングホーズのメリットとは!?
まずは紳士の定番であるロングホーズのメリットとデメリットについて話をしていきましょう。
メリット:靴下がずり落ちない
これが最大のメリットだと思います。
他にも「丈が長いから暖かい」とか、「スーツに肌が直接あたらないので傷みにくい」とか、いろいろとメリットはあるようですが、私にとっては「ずり落ちないこと」が何よりも重視されることです。
通常丈の靴下だとふくらはぎの最も太い部分まで丈がないので、歩いたりすることでずり下がってきてしまいます。
そうなると座った時にすね毛が見えてしまう。そんなリスクを抱えるわけですね。
そこで、ロングホーズを履けばそのリスクは解消されます。ひざの少し下くらいまで丈があり、ずり下がることは全くありません。
私も初めてロングホーズと出会って履いたときは、「なんて快適なんだ」と思いました。
だって今までは短い靴下がずり下がるたびに自分で靴下をもってあげていましたからね。ずり下がった靴下は、すね毛が見える見えない以前に、しわがよって見栄えもよくないですし。
その不安から解放された喜びは大きかったです!
しかしその後、丈が長いゆえのデメリットに苦しめられるのです。
デメリット:スラックスにひっかかる!
はじめてロングホーズを履いて「なんて快適なんだ」と思ったのもつかの間、すぐに違和感に気がつきました。
座って立ち上がったときにスラックスの裾がすぐに元に戻らないんです。
例えば、座る前はこんな感じで…
しばらく座って立ち上がると…
こんな感じでスラックスがロングホーズに引っかかって落ちてこない!自分で裾を持っておろすか、強烈な足踏みをしてその勢いで落ちるのを待つかしかありません。お客さんとの商談の後に急に足踏みし出す人がいたらびっくりしますよね。
こうなる原因はひざ下まで伸びるロングホーズとスラックスの生地の間に生じる摩擦、そしてそれぞれの繊維間で生じる静電気です。
ロングホーズとスラックスの相性によっては歩くたびに徐々にずり上がっていくことなんてことも…
このことが、「ずり下がらない」というメリットをかすませるほど、私にとってはストレスだったので、なくなくロングホーズの使用をあきらめるのでした。
救世主登場!SEEKのロングホーズ!
ロングホーズに悩んでいるときに知ったのが日本を代表する下着メーカーであるグンゼが作るSEEKのロングホーズでした。これがひっかかる悩みを解消してくれました!
SEEKの画期的な発明!ふくらはぎがキュプラで摩擦が少ない!
このSEEKのロングホーズの最大の特徴はもっとも摩擦の大きいふくらはぎ部分が「キュプラ」でできていることです。
キュプラといえば滑りが良く、スーツの裏地でよく用いられる素材。それを使うことによって摩擦によってひっかかることがないロングホーズを実現したのです!
「やったぜ、グンゼ!やったぜ、SEEK!」
この画期的な商品を知って、グンゼのオンラインストアからすぐに購入。
使ってみると、ほんとにひっかからない!!!
「ずり下がらない」というロングホーズ最大のメリットをそのままに、「ひっかかる」という最大のデメリットを解消している。
世のロングホーズ難民を救う画期的な発明!!
ところが、これにも弱点があったのです…
SEEKの弱点:色と柄
SEEKが悪いわけではないんですが、以前使っていたハリソンやタビオの靴下の柄と色味が好きだったので、そこを追い求めてしまう。
とはいえハリソン・タビオの靴下の色・柄が特殊だったかというとそんなことはなく、基本的にオーソドックスな色・柄をしています。
SEEKの色は全体的に明るい印象があります。
ネイビーはまだいいんですが、特に悩んだのがブラウンです。
ハリソンの靴下と同じトーンのブラウンを探して注文したのですが、最も近いものでも下の写真のもの。
かなり明るい…どっちかというとベージュという感じ。せめてふくらはぎのキュプラの部分の色くらいならいいんですが。
柄でいうとハリソンやタビオのようなオーソドックスなリブ編みがないのも残念ではあります。
加えてSEEKはリアル店舗で販売があるところが少なく(一部の百貨店くらい)、実物を見られないので「色が思ったのと違う」なんてことも。
ものは素晴らしいのですが、「オーソドックスな色・柄をそろえてくれさえすれば完璧なのに!」ともどかしく思っています。
これはあくまでも個人的なこだわりであると思うので、「色・柄なんて気にならないよ」と言う人にとってはSEEKのロングホーズが最適解だと思います!!!
それくらい素晴らしい商品です。
裏技にたどり着く。靴下止め
ハリソンやタビオのロングホーズを使いたいけれどふくらはぎに引っかかってしまう…
SEEKのロングホーズで解決と思いきや思ったような色・柄がない…
やはり通常の丈の靴下に戻るしかないのか…
そんなときに出会ったものがあります。それがこれです!
え?なにこれ?
ぱっと見なんだかよくわかりませんよね。
これは靴下用のサスペンダーです。
タニワタリという日本のサスペンダーメーカーが販売している靴下止めなんです。
タニワタリの靴下止め:メリット
まず、どのように使うのかというと、
上の写真の輪っかをふくらはぎ上部で止め、フックの部分で靴下を引っ張ります。靴下の生地を両側から抑え込む感じですね。
これだけでほんとに止まるのか?
最初は半信半疑だったのですが、1日外回りをしても靴下がずり落ちることはまったくありませんでした。
そして、ふくらはぎの太い部分には靴下の生地がないので、通常丈の靴下と同じようにスラックスに引っかかることはありません。
自分が気に入った色・柄の靴下を使いたい!そして靴下がずり下がることを避けたい!そんなときに役に立つアイテムです。
タニワタリ靴下止め:デメリット
足に巻き付けて使うので、締め具合を間違えると結構な圧迫感があります。ただ自分の場合はそこまで気になるほどではなかったですね。
また価格は5,280円(税込)でした。
これだけの金額があれば、そもそも靴下を何本か買えてしまいます。
やはりロングホーズに悩みを抱えた人だけが必要とするアイテムなんだと思います。
スーツスタイルの靴下の選択はこうする!
もしもスーツスタイルの靴下に何を履くべきか悩んでいる人がいたら、ぜひ下記の順番で試しましょう。
その1:まずは通常のロングホーズを試すべし!
ハリソンやタビオの上質なロングホーズを使ってみてストレスなく使えるのであれば、間違いなくこれがベスト。まったくストレスなく使える人がうらやましい…
その2:ロングホーズが引っかかるのであれば、SEEKを試すべし!
ロングホーズでふくらはぎが引っかかるというストレスを感じたら、グンゼのSEEKを試しましょう。きっと引っかかりは解消されるでしょう。
その3:SEEKの色・柄に満足できなければ靴下止めを試すべし!
SEEKはオーソドックスな色・柄が少ない印象。どうしてもハリソンやタビオのような色・柄を履きたいと思ったら靴下止めを試しましょう。SEEKの足りない色・柄だけ「靴下止め+通常丈靴下」で補うという戦法もありですね!
まとめ:スーツスタイルにおいて、ロングホーズ一択ではない!
スーツスタイルの靴下について調べると、「ロングホーズを履け!」「ロングホーズ以外は靴下じゃない!」「ロングホーズ一択だ!」という論調が強く、そうなんだと思い込んでしまった自分がいました…
しかし、ロングホーズにもデメリットがある。じゃあロングホーズのメリットを受けながらも、デメリットを受け流す方法はないか?それを追い求めた先に、SEEKがあり、靴下止めがありました。
みなさんはスーツスタイルにおける靴下でどんな選択をしていますか?いろんな人のおすすめや悩みを知りたいです。